モルモン教会の考察
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モルモン教会の分派の一つ、スラング派を訪問された昼ごはん氏から以下のような大変興味深い記事をいただきました。
(文章の改行位置の変更、枠線、色付け、リンクの貼付などはサイト作者によるものです)

 トゥゲザーさん。
ごぶさたしてます昼ごはんです。
ちょっと長い休暇をとってました。

で、例のストラング派の教会を尋ねてウィスコンシン州にも行ってきました。整理仕切れないほどたくさん資料をいただいたのですが時間がなくてうっちゃってあります。(^_^;) 年内にはまとめてみたいと思っていますが、とりあえず断片的な報告をいたします。

まず、ストラング派は二つあります。
一つは落伍者さんからご紹介のあったThe Original Church of Jesus Christ of Later Day Saints (以下オリジナルと略す)です。私はこちらのジェームズ・ハチャック氏を尋ねてみました。 大変歓待されました。
この派は特に集会らしい集会はなくバプテスマを授けるだけだそうです。息子さんのジョンさんがミズーリ州で布教活動をしていますが、礼拝堂はなく集会もなく教会の態をなしておりません。ただひたすら、自宅でジェームス・ストラングの後継者たる予言者の出現を待っているとのことです。

もう一つの方は、The Church of Jesus Christ of Later Day Saints (Strangites) ( 以下ストランガイツと略す)という派です。実はこちらが本家のストラング派です。 本部はニューメキシコ州にありウィスコンシン州の支部と合わせてUSAには二つの教会堂しかありません。上述のハチャック氏の家から二、三分のところにウィスコンシン州の支部の教会堂があるということなのでハチャック氏と一緒にこちらの教派も訪問しましたが、こちらでも歓待されました。

ハチャック氏はかつてこのストランガイツに集っていましたが、予言者ストラングに対する解釈の違いで袂を分かち、何人かの人とオリジナルを創設したそうです。しかし両者の仲は悪くはないようです。ストランガイツの責任者である、デビット・リー氏とデビット・オーガスト氏にも詳しく話を聞きましたので以下に簡単にまとめます。

**知恵の言葉**
 オリジナルストランガイツも「知恵の言葉」を守っています。タバコも酒類も一切口にしないし、肉もほとんど食べないベジタリアンだそうです。それは神からの健康に対する「Good Advise」だから自主的に守るのであって、守らない会員がいてもそれは自由だということです。

** 教会の組織 **
 両者とも神権により教会が運営されています。両者とも女性はアロン神権を持つことができ「執事」「教師」までの職に聖任されます。これはエマ・スミスにも神権を与えられていたことによるらしいです。D&C25:7あたりにその片鱗があるとのことです。教会の大管長は空席です。 監督もいません。長老と大祭司だけが存在します。 什分の一もありません。

** 安息日 **
 両者とも安息日は土曜日です。 オリジナルは安息日にはすべてのわざを休み、一切の外出をせずに家族単位で家で礼拝をしています。ストランガイツは礼拝堂に集まり日曜学校(土曜学校?)と礼拝の集会があります。日曜日は仕事や雑用をします。

** 多妻 **
 両者とも多妻を支持していません。 予言者ジョセフ・スミスは多妻ではなかったと信じています。ジョセフ・スミスを多妻主義者に仕立てたのはブリガム・ヤングとその仲間たちだそうです。DC132章はジョセフ生存時には認められておらず、ブリガマイツの捏造だと言い切っています。ちなみにD&C132章以降の啓示はうそっぱちだそうです。

しかしながら、ここが苦しいのですが、予言者ストラングには五人の奥さんがいたそうで、オリジナルはストラングの堕落説を説きますが、ストランガイツは特別な事情で神から命令されたというストラング自らの言葉を支持しています。この辺がオリジナルストランガイツから袂を分けた主な理由らしいです。

** ボリー・プレート **
 ストラングが真鍮版を見つけたという「Hill of Promise」も案内してもらいました。この辺は Voree と呼ばれる地区で公園と牛の放牧地になっている小高い丘になったところです。ボリーはリーのところにアクセントをおきます。このVoree地区には石碑が点在し、「モルモン・コロニー跡」「ストラングの墓」「ストラングの最後の家」「初期ストラング派教会跡」「教会印刷所」「ホワイト・リバー公園」などの石碑が点在しています。

ホワイト・リバーはほとんどのストラング派の会員がバプテスマを受けた場所らしく、ハチェック氏も20年程前の厳冬期に30センチもの氷をチェーンソーで切り分けてここでバプテスマを受けたと遠い目をしながら語ってくれました。

ボリー・プレイトは 1.5インチ X2.5インチだそうで、これは名刺よりも小さいサイズで胸ポケットにも入っちゃいます。(^_^;)

レプリカを売っているか聞いたのですが今はもう売ってないそうです。ハチャック氏はPCの印刷サイズにあったサイトを作ったそうで自分で印刷して下さいとのことでした。

ボリー・プレイトについては全米でハチャック氏が一番の権威者らしくいろいろ講釈を聞きましたが、又の機会に書きます。

** まとめ **
 ストラング派存在は、ブリガマイツをより深く理解するためにも役立ちそうです。あたかもダーウィンの進化論のように1844年のジョセフの死後別々に歩んだ両者を比べることにより、ジョセフが設立した初期の頃のモルモン教会がだんだん明確になってきます。

ストラング派の人が「神に召された予言者は誰の目から見てもそれと分かる特徴や証拠を備えているはずで、そうでなければ一般信徒はどのように信じられるのか。」と異口同音に語っていたのが印象的でした。

とりあえず簡単な報告をいたします。

(サイト作者注:文中のブリガマイツとはブリガム・ヤング派、つまりユタ州ソルトレークに本部を置く末日聖徒イエス・キリスト教会のことです)


昼ごはんさん、貴重な情報、どうもありがとうございました。

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